DAOとは何か

DAOとはDecentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略で、管理者なしにプロジェクトを実行可能な組織のことです。本記事ではそんなDAOについて初心者向けに説明します。
MEXC Japan 2023.06.06
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DAOとはDecentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略で、管理者なしにプロジェクトを実行可能な組織のことです。本記事ではそんなDAOについて初心者向けに説明します。

DAOの特徴①:「分散型」である

DAOが「分散型」であるとはどう言う意味なのでしょうか。私たちが普段よく目にする会社や政府をはじめとした組織は一般的に管理者がいて階層構造をとっています。上層部の意思決定に従ってより下層のメンバーが動いていくというのが一般的でしょう。このような組織では、意思決定の権限が幹部に集中しており、中央集権型と言えるでしょう。

一方で、DAOでは一般に代表者や管理者が存在せず、「ガバナンストークン」を所有する人々の間で意思決定されます。このトークンを保有していれば、誰でも組織の意思決定に関わる投票に参加できます。意思決定の権限が特定の幹部に集中しているわけではないという意味で分散型と呼ばれているわけです。

組織が部分的に「分散型」であること自体はさほど珍しいことではありません。確かに従業員の関係性だけを見れば企業は中央集権型に見えるかもしれませんが、株式会社ではそれぞれの株主が自身の持つ株数に応じて投票で会社の意思決定に関われるわけでそういう意味で部分的には分散型組織であると言えるかもしれません。しかし、実際には株主よりも会社を実際に運営する幹部や従業員の意思の方が影響力が大きいことが多く、株式による意思決定がいくら分散型であっても、結局は中央集権型に近いものになってしまいます。

DAOには株式会社にいるような社長、役員、社員がいるわけでもないので、従来の組織にはなかったレベルの分散型意思決定がDAOによって実現すると期待されています。

DAOの特徴②:「自律」している

DAOのもう一つの特徴は、「自律」的であることです。自律というのは一般に「他からの支配を受けずに自分で動くこと」を意味します。DAOにおいては投票によって意思決定されたことが誰かの操作なしに自動的に実行されることを指します。これはブロックチェーン上に書き込まれたスマートコントラクトにより実現されます。

スマートコントラクトとはあらかじめ定められた条件を満たせば契約や取引が実行される仕組みです。一度ブロックチェーンに保存されたスマートコントラクトは誰にも変更できず、またスマートコントラクトの内容は誰でも参照できます。結果としてDAOでは意思決定だけではなく、意思決定で決めた内容の実行においても透明性を有していると言えます。

DAOのメリット

民主的で透明性の高い意思決定が可能

DAOでは、トークン保有者が直接投票可能であり、民主的な意思決定が可能です。意思決定のための投票結果はブロックチェーン上に記録されいつでも確認可能なので、意思決定の透明性が高いのもDAOの特徴です。

無駄なコストをカットできる

管理者なしに動く組織のメリットの一つは、管理者を置くコストをカットできることです。それに加え、スマートコントラクトも活用できるので、取引やプロジェクトに関わる無駄なコストを簡単にカットできます。

資金調達が簡単

DAOでは、ガバナンストークンを発行し、それを投資家に買ってもらうことで資金調達が可能です。投資家はトークンの価格が上がればそれを売って収益を上げることもできますし、所有し続けてDAOの意思決定に関わり続けることもできます。

DAOのデメリット

意思決定に時間がかかる

先述の通りDAOのメリットは参加者全員が意思決定に関われることですが、これは裏返せば全員に投票をしてもらわないと意思決定ができないと言うことを意味します。中央集権型組織のようにトップダウンでの意思決定ができないために、実際に意思決定をするまで時間がかかるというデメリットがあります。意思決定が遅いというのは何か重大な問題などが発生した場合には特に深刻なデメリットになります。

セキュリティリスクがある

DAOでは、システムの脆弱性を攻撃したハッキングが発生する可能性があり、その際には資金を失うことになるかもしれません。「THE DAO」という投資ファンドがハッキングされた2016年の事件がその一例です。THE DAOは名前の通りDAOによる投資ファンドで、投資先を参加者の投票で決めるというDAOの特徴を活かした先進的ファンドでした。

しかしTHE DAOには弱点がありました。それは、DAOの決定に賛同しない投資家が自分のお金をDAOから切り離せて新しいDAOを作れるというシステムに起因するもので、これを悪用しハッカーは集められた資金の3分の1にあたるおよそ360万ETHを盗み出します。あまりに大きな金額が盗まれたため、暗号資産業界で大きな話題となりました。

一時大騒ぎになったこの問題ですが、コミュニティでの議論の結果ハードフォークが実行され、ハッキングを受けたブロックチェーンが分岐されます。結果として、不正送金前の状態に戻すことができたのでどうにか事件は解決に向かいました。ハードフォークによって、この時イーサリアムブロックチェーンはイーサリアム(ETH)とオリジナルのチェーンを継承するイーサリアムクラシック(ETC)に分岐しました。

このようなシステムの脆弱性を狙ったものもあれば、投票が狙われる可能性もあるかもしれません。DAOで悪意のあるユーザーが多く集まったり、悪意のあるユーザーがトークンを多数所有していると、全体にとっては望ましくない意思決定が投票によって実現されてしまうかもしれません。

法的位置付けが不透明

多くの国でDAOに関する法律はまだ未整備です。DAOは法人格がはっきりしている企業などと異なり、法律上どのような存在なのか不明確なわけです。トラブルが起きた時にどの国でどのように対処すればいいのかも不透明ですし、DAOによって生み出された知的財産の扱いもまだはっきりしていません。

とはいえ、ごく一部の地域ではDAOに法的位置付けを与える動きが見られます。例えば、アメリカのワイオミング州はDAOに対して「有限責任会社」(LLC)の一種として法人格を認めています。テネシー州やマーシャル諸島共和国でも同様の動きが進んでいます。

※この記事は情報提供を目的としたものです。ご自身の情報収集と責任のもと投資判断していただくようお願いいたします。

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